【カスタムブログ Vol.9】はじめてのバックカントリースキー、必要なものは?

2021-07-27


 

 
 前回(Vol.8)、初めてのフリーライドについて書かせていただきましたが、ゲレンデフリーライドの面白さや魅力に触れてしまったあなたは、もうスキーの虜になっているはずです。そう、スキーの魅力の一つは地形を利用した遊び方にあります。そして、そこに雪の深さがプラスされるパウダーは、さらに魅力を増す独特の世界です。ゲレンデという滑りやすく造成された管理エリアでも十分楽しめますが、自然の山は地形の宝庫、そして、誰も滑っていない手つかずのパウダーは中毒性に満ちた世界です。そこにはゲレンデの2次元世界に深さが加わった3次元の世界が広がっており、文字どおり次元の違う面白さを満喫することができます。
 
 
ハイクアップするかしないかにかかわらず、管理されたエリアから離れるため最低限必要な物は次の4つです。
 
①山に対する知識
②装備
③安全に登って滑ることができる一定以上の技術
④体力

 
 山の知識とは、気象(風・雪・日射など)とより深い地形への理解です。雪崩だけでなく、崖や岩・立木・沢・雪庇など、バックカントリー(山岳エリア)にはさまざまな危険が潜んでいるので、それらを回避して楽しむ術を身につける必要があるのです。雪崩トランシーバー(ビーコン)などの装備を持っているから安心というわけには、決していかないのです。
 
技術としては、滑るだけにとどまらず、歩く技術も要求されます。安全にハイクアップするためのルートファインディングをはじめとした登攀技術や、無駄な体力の消耗を抑える戦略的なウェアのレイヤリング技術もしかりです。
 
 山岳滑走において転倒は滑落や怪我につながる最大の危険因子の一つなので、どんな雪でも安定して転ばずに滑走できる技術を身につける必要があるのはいうまでもありません。ゲレンデを一歩踏み出したら、そこは雪山登山の世界。誰もあなたを守ってはくれません。そこには自己責任とか覚悟だけでは済まされない世界が広がっているのも事実なのです。
 

 
 バックカントリー(山岳エリア)を楽しむためにはある程度安全を担保してくれるガイドや経験者の存在が欠かせません。まずはガイドツアーを利用してみることを強くおすすめします。
 
 用具に関しては、想定している滑走エリアと時期によってベストなマテリアルは異なってきます。また、個人の志向・技術や体力レベルによってもさまざまなので、これがベストマテリアルということは不可能です。
 ただし、道具は自分の能力をカバーしてくれる唯一の手段であることを忘れてはいけません。体力を急に倍にすることはできませんが、道具によって疲労を軽減できることもあります。
 
 例えば深雪滑走が苦手な方であれば、深雪滑走が得意な道具を使うことで格段に転倒回数を減らすことができ、怪我や無駄な体力の消耗を防ぐことにつながります。それが、ひいては安全につながり楽しめます。自分のウィークポイントを理解して、道具をうまく活用してトータルでバランスをとっていく方向性が何より重要と考えますがいかがでしょうか。すべてがバランスされたときに最高の瞬間を味わうことができるので、そのための道具選びを石井スポーツではお手伝いさせていただきます。
 
 

ゲレンデフリーライドとの道具の違い

 
 ハイクアップしなくても楽しめるエリアもありますが、バックカントリー(山岳エリア)ではハイクアップして楽しむことが基本。シールを使ってハイクアップするため、ツアータイプのビンディングが必要になります。現在主流となっているピンテックビンディングをはじめ、前後をプレートで連結したマーカーBARONやTOUR F12EPFに代表されるプレート式のツアービンディングもあります。
 
 ただし、バックカントリー(山岳エリア)で地形を使った飛びを楽しむのであれば、アルペンビンディングと同等の安全機能があるビンディングを推奨します。ピンテックビンディングは後方転倒に対してリリース機能を持っていないため、アルペンビンディングと比較して怪我のリスクが高まる可能性があるためです。おすすめはマーカーDUKE PTです。滑走時はアルペンビンディングと変わらないリリース機構でサポートしてくれるので安心です。
 
 また短いハイクアップであれば、アルペンビンディングとDAYMAKER TOURなどのアタッチメントを併せて利用するのがよいかもしれません。ただ一般的なバックカントリースキーではハイクアップにおける軽さは正なので、やはり主流は軽量なピンテックビンディングとなります。スキーの太さやタイプにビンディングの剛性をマッチングさせて選ぶことが重要となります。
 
 

SALOMON/
S/LAB SHIFT 13 MNC

滑走時はアルペンビンディング、歩行時はピンテックビンディングとして機能するハイブリッドタイプ。パウダーライディングだけでなく、ツアーリングもしたい方におすすめです。

 

MARKER/
KINGPIN 13

ピンテックビンディングの代表的モデル。ヒールピース側はブーツのコバを押さえるためエッジングのロスが少なくリニアな反応が楽しめる軽量ツアービンディングです。

 
 
 
 ブーツに関しても、短時間のハイクアップであれば現在お使いのアルペンブーツでもOKですが、一時間程度以上のハイクが想定されるのであれば、ウォークモードつきが断然おすすめです。滑り重視であれば1400gから1800g前後のしっかりしアルペンブーツベースのウォークモードつきタイプが良いでしょう。
 
 さらに長い時間のハイクアップや山岳スキーともなればブーツの軽量化も欠かせません。そんな方にはSCARPAマエストラーレやF1などの1400g以下のブーツが最適な選択となるでしょう。よりロングルートでハイクスピードを求めるスキーアルピニストには、1000g以下のブーツも選択肢となってきます。
 
 

TECNICA/
COCHISE 120 DNY GW

1750g。グリップウォーク規格のアルペンビンディングとテックビンディングの異なる規格双方に対応できるエキスパート向けブーツ。シェル素材にポリウレタンを使用。フレックスに粘りがあり、アルペンブーツ感覚で履けます。新開発のウォーキングシステムは高い滑走性能と歩行性能を実現。

 

ATOMIC/
HAWX ULTRA XTD 130CT GW

1580g(26.0cm)。インナーブーツのグレードアップとラバーソールの形状を適応ビンディングが多いグリップウォークソールに変更。特にインナーが改良され、シェルの硬さが気にならなくなり使いやすさがアップ。シェルを熱成型できるメモリーフィットでどんな足型にもジャストフィットできます。

 

SCARPA/
F1

1260g(27.0cm)。スニーカーのような軽快さと歩きやすさを備えたATブーツの決定版!見た目とは裏腹にフリーライド系のセンター幅100mm前後のスキーでもコントロール可能なほどのダウンヒルパフォーマンスもある希少なモデルです。足幅はスカルパで最もワイドな102mmで快適です。

 
 
 
 スキーに関しても、フリーライド要素の高いモデル、ツアー向けに軽量で、滑走性能にも長けたモデル、そして、とにかく軽量でロングルートを楽に歩くためのアルパインツアーモデルと、バックカントリー用スキーといってもさまざまなタイプのスキーが存在していて、目的に合ったモデルを選べるようになっています。
 
 注意が必要なのは、その組み合わせです。スキー・ブーツ・ビンディングそれぞれがバランスしてはじめて性能を発揮できるのです。組み合わせによっては性能を発揮できないだけでなく、故障の原因になる場合もあるので注意が必要です。専門のスタッフなどに相談して選ぶことをおすすめします。

 
 
 

 

 

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