ナイトハイカー酒井の備忘録【松本店】

2020-04-29

こんにちは、石井スポーツ松本店の酒井です。

突然ですが、僕は夜、山道を歩くのが好きです。暗い森の中をライトの明かりだけで歩く緊張感と、稜線に出た時の星空、街の明かり、その後に訪れる朝焼け。

どれも一回見たら忘れられない、最高の景色と体験です。だけど松本店の他のスタッフにその楽しさを伝えようと努力しても変態扱いされて終わります、悲しい。

なのでこの際、ナイトハイクの素晴らしさ、潜在リスク、歩き方、装備などなど、僕の経験を交えてつらつら書き、皆様にナイトハイクの楽しさをお伝え出来ればと思います。

※使っている写真は(商品の写真を除き)2019年以前に撮影しています。

 

 

「ナイトハイクの素晴らしさ」

では早速、ナイトハイクの素晴らしさを皆様にお伝えしたいと思います。

 

1.朝焼けを見られる

通常、朝焼けは山の上で寝泊まりした人でないと見る事は出来ませんよね。しかし、ナイトハイクすれば日帰りで山頂で朝日を迎えることも可能になります。というか、僕の場合それが目的です。

 

2.星空、夜景を見られる

これも上の理由と同じです。普通、泊まりでなければ山の星空は見る事が出来ませんが、ナイトハイクならば日帰りで可能です。しかし、見られる時間は非常に限られる為、本気で星空を眺めたいときは小屋泊やテント泊を選びます。

 

3.下山時間が早い(昼前には下山可能)

当然ですが、行動開始時間を通常より数時間早めている為に、日帰りの場合は下山時間も数時間早くなります。奥さんに睨まれている登山者には最適な方法かも…?ただし寝不足には注意です。僕は必ず家で仮眠してから登りますが、3~4時間寝るだけでも圧倒的な違いが出ます。

 

4.満月の光を堪能できる

街中では実感することはあまりないと思いますが、満月の光は非常に明るいです。雪上や稜線の上では、その明るさだけでナイトハイクできてしまうほど。その明かりはとても優しく、幻想的です。

 

5.誰とも遭遇しない

ナイトハイク中は基本的に誰とも会いません。なので、自分だけの世界に没頭できます。大声で「僕ドラえもん」を歌ってみたり、独り黙々と歩いて身も心も野生に還ったり、自由にできます。めちゃくちゃ楽しいです。

 

 

「ナイトハイクのリスク」

暗闇の中を突き進むナイトハイクは非常に楽しいものの、暗闇ならではのリスクも多々あります。

 

1.夜道は危険

そもそもですが、夜の登山道は危ないです。単純に道の判断が難しく、足元も見にくいので道迷いや転倒・滑落の可能性が上がります。夜行性の獣と遭遇する危険も…

 

2.ライトが故障したり電池が切れたら行動不能

当然ですが、夜の登山道は暗いです。街灯なんかありません。あったらそれは狸か狐が化けてます。そんな暗闇の中、ヘッドライトにトラブルが起きたらナイトハイクはその時点で終了です。そうなってしまうと夜が明けるまでその場でビバーク…僕も一回森の中でやってしまいましたがキッツいです。そうならないために、今は予備のライトやバッテリーを持ち、出発前のライト点検は欠かしません。

 

3.誰とも遭遇しない

「素晴らしさ」でも書いた事項ですが、周囲に誰もいないのはリスクでもあります。基本的に、ナイトハイク中には誰とも遭遇しないため、トラブルが起きた際はすべて自分の力で解決する必要があります。 

 

しかし、時々他のナイトハイカーとすれ違ってドキッっとすることも…ぶっちゃけ、暗闇に浮かぶ獣の目より、他人のライトの方が怖くてドキドキします。(あの光、本当に人…?)とか、(こんな時間に歩いてるなんて変態…?)的な意味で。

 

 

「夜道の歩き方」

暗闇の中を歩くナイトハイクでは、歩き方に気をつけないと道を間違えたり、怪我をしてしまったり…日中の登山より慎重に歩く必要があります。

 

1.必ず日中に行ったことのある場所を歩く

個人的な大原則です。必ず日中の記憶がある場所をナイトハイクするようにしています。そうするとルート上の危険個所も把握でき、ナイトハイク中の様々なリスクを減らすことが出来ます。

 

2.周囲を確認しながら歩く

基本となるのは周囲確認、登山道の目印になる赤テープ、分岐点の標識、マーキング、ケルン等々を見落とさないよう歩きます。更に登山道を足裏で感じながら歩きます。何言ってんだコイツと思われるかもしれませんが、暗闇で登山道が見えない状態だと、結構大事です。慣れてくると道を踏み外したときに、足裏で(あ、ここ違う)とわかるようになります。

 

3.現在位置を確認しながら歩く

上記で散々書いたように、ナイトハイクは道迷いのリスクが高いです。そのため、歩き慣れた道でも短いスパンでスマホの地図アプリを使って現在位置を確かめながら歩きます。こうして方角や大まかな位置を確かめながら歩けば、大きく踏み外すことはまず無くなります。しかし、アプリに頼りっきりになるのも良くありません。大事なのは、判断に迷ったら必ず立ち止まる事、そして道が判る場所まで戻る事です。道迷い対策の基本が、そのままナイトハイクの基本になります。

 

4.予備ライトを持つ

僕は一回、ナイトハイク中にライトが故障し、日が昇るまで行動不能になったことがあります。それ以来、ナイトハイクする際には予備のハンドライトと非常用ライトを持つようにしています。それ以来、山行中に壊れた事はありませんが、万が一また壊れても(まだだ!まだ終わらんよ!!)とか(たかがメインライトがやられただけだ!)とか安心して叫ぶことが出来ます。

というか叫んでみたい

 

5.獣除けの為、音を打ち鳴らして大声を出す

猪鹿熊さんに代表される、森の動物さん達がゾロゾロ動き出す時間帯が、夜から明け方にかけてなんだそうです。なのでナイトハイクするときは定期的に、もしくは何かの足音が聞こえたりしたら、笛を鳴らしたり大声を出したり、ストックを石に打ちつけて僕の存在をアピールします。森の動物さんたちに(あ、なんかヤベェのが登ってきてる)と思わせられれば、あとは動物さんたちの方から逃げていきます。大抵の場合は、ですが…

ただし、僕は熊鈴は付けません。視力が頼れない暗闇だと、周囲の環境音を聞き分ける事はとても重要になるからです。

 

 

「ライトの選び方」

(山の中ではどんなライトを使えばいいのか?)と、松本店でも、お客様からよく質問されます。色々な製品があるので、選ぶのは難しいですよね。

僕の経験則ですが、だいたい100ルーメンも有れば夜道は歩けます。例えば、富士山の様にルートも明快で道に迷わないような環境であれば、100ルーメン有れば必要十分でしょう。

しかし(これも経験則ですが)、ルートが不鮮明な森や岩稜の分岐点で進行方向に迷ったとき、正解の道を見つけるためには、明るいスポット光で遠くの目印を見つけたりする必要があります。だいたい300ルーメンぐらいあれば、十分に遠くの目印を見つける事が出来ます。

ライトの最大光量を使って視界が明るくなると安心感も増しますし、安全に歩けます。しかしバッテリーの消耗も早いため、必要になった時に最大光量を発揮できるよう、道が見えている時には最大光量は使わないようにしています。

 

 

「酒井の装備品」(表示価格は2020年4月24日時点のものです)

僕の使っているライト類です。ナイトハイクでは特殊な装備品は必要ありません普通の登山装備以外で持って行くのは、明るめのヘッドライト、予備のハンドライト、そして暗闇の中で精神安定剤がわりになる小さめなナイフ程度です。

 

メインライト:ペツル アクティック コア¥8,360 (税込)

フランス発ペツル製の最新ヘッドライト、最大光量450ルーメンの憎いヤツ。これぐらいの明るさがあると、狭い範囲なら日中と変わらないぐらいの視認性を期待できます。暗闇の中ではとても心強い明るさです。

このモデルの優れている所が、通常の単四電池とペツル製の充電式バッテリーパック「CORE」両方を使用でき、しかも付属で「CORE」が入っている所でしょうか。「CORE」低温に強く、冬場のナイトハイクでも安心して使うことが出来る上に、数時間使っても変わらない安定した光量を発揮してくれます。さらにモバイルバッテリーと充電ケーブルさえあれば、山中で充電する事もできます。

他にも気に入っている所があり、ワイド光とスポット光の両方が出るマルチビームなので遠近両方の視認性がとても良好な点(他のメーカーはスポット光↔ワイド光の切り替え式がほとんど、遠近のどちらかには焦点が合うが、どちらかは見えにくい)と、操作がシンプルで分かり易い(ボタンを押せば弱→中→強→切になる)ところです。これも、暗闇の中では強いアドバンテージになります。

 

ハンドライト:レッドレンザー P6 ¥7,120(税込)

ドイツ発レッドレンザー製のハンドライト。ドイツ製レンズ、謎の安心感がある響きですね。実際、200ルーメンと極端に明るい訳ではありませんが、とても見やすい光を出してくれる上に、ワイド光↔スポット光を照らしながら片手で簡単に切り替えられるので、非常に使い易いです。

(予備ならもう一個ヘッドライト持っていけばいいんじゃない?)と思われるかもしれませんが、不明瞭なルートを探す際に複数のライトを使いたい時や、ヘッドライトのバッテリーを温存したい(ヘッドライトを弱モードにして足元を照らし、ハンドライトで遠くを照らす)に大活躍してくれます。

 

非常用ライト:ペツル e+LITE ¥3,520(税込)

非常時用に作られた超小型のライトです。エマージェンシーキットの中に入れっぱなしで、実際にこれをナイトハイクで使った事はまだありませんが、万が一の時に安全地帯まで歩くことが出来る程度の光量(50ルーメン)はありますし、動けなくなった非常時には赤ライトを点滅させることで迅速な救助に繋がります。超軽量なので、ザックに入れといて損はありません。

 

ポケットナイフ:オピネル カーボンスチール#10

¥2,530(税込)

特に使うことはないのですが、ポケットにナイフがあると、暗闇の中でドキッとした時に握って心を落ち着かせる事が出来ます(僕だけ…?)

森の動物さん達には効き目がないでしょうけど、有ると無いとでは安心感が違います。そういえば、どこかで見た本の中で(山に住む物の怪には刃物が魔除けとして効くんじゃよ)なんて記載を見た覚えがあります。昔の人が言ってるんだから間違いありませんたぶん。

そんなこんなで精神安定剤がわりになる、個人的必需品です。オピネルナイフは値段も安いですし、形もカッコいいですよね。

 

 

以上が僕のナイトハイク備忘録になります。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。もしナイトハイクにご興味がある方は、お気軽に酒井までお問い合わせください。

 

石井スポーツ松本店 酒井