トレーニングレポート 石井スポーツアルピニスト基金

2019-02-19

2月中旬、長野県 八ヶ岳にてモンブラン登山に向けたトレーニングを行いました。

 

 

10時半頃美濃戸口を出発。
南沢小滝にて、氷河上のレスキューを想定したアイススクリューの打ち込み方、回収の仕方を体験。

 

その後地蔵尾根に取付き、尾根が急になるところから、アンザイレン(※)し、コンテニュアス歩行(※)のトレーニングをする。

 

16時半には赤岳展望荘に到着。食事後、懇親会とミーティングをして。21時就寝。

 

 

翌日は6時45分に出発し、赤岳の頂上を目指します。
天気は快晴、富士山がはっきり姿を現していて、メンバーの士気が上がりました。

 

赤岳登頂後は写真を撮り合い、展望荘に戻りそのまま硫黄岳を目指して縦走開始。アイゼン歩行技術、ピッケルの使い方ルートの取り方等々を講習しながら歩きます。

 

赤岩の頭手前で、クレバスレスキューの実戦練習を行います。小さく雪庇の張り出した崖に飛び込みそれを止める訓練を行い、特にアクシデントもなく、全員無事15時過ぎに下山しました。

 

メンバー6名、歩行技術、ロープワーク技術、体力とも、書類や面接で事前に予想した通りで、モンブランを目指すにはぴったりの人材を選考できたと改めて感じました。皆、向上心も旺盛で、チームの雰囲気も非常に良いので、一緒に登っていて全くストレスなく、既に良いチームが出来上がっています。

 

―――

※アンザレイン
登山者が岩壁などを登る際に、安全のために互いにザイル(登山用ロープ)で身体を結び合うこと。

※コンテニュアス歩行
二人以上がお互いをロープで結び合って、同時に行動(歩行)すること。一人が落ちた時に他方が止める様にしたものだが、巻添いを食いやすいので、非常に高度な技術を要する。

 

 

 

 

メンバー所感

 

宮下雪乃

■レポート
最初のトレーニングだったので、わからないことが多くあり自分への課題が見つかりました。今回はアイススクリュの使い方や、アイゼンでの歩き方を教えてもらいました。2日目はすごく景色がよく、絶好の登山日和でした。

 

■課題
ロープを素早く結べるようにする。
手袋のまま、作業できるようにする。

 

 

沓脱彩子

■南八ヶ岳縦走の感想
雪山の急登の歩き方、ピッケル・アイゼンの基本的な歩行、アンザイレンの仕方、コンテニュアス歩行、アイススクリューの使い方、滑落停止など技術的なことももちろん勉強になったが、「アルピニストとは何なのか」を僅かながら感じとることができたのが、大きな収穫だった。
これまで自分の身近に8000m峰を登頂した人はいなかったので、角谷さんと奥田さんはある意味、私が初めて接するタイプであり、経験と技術を有する方々である。
「スピードが安全につながる」とは、近頃日本でも基本的な思考となりつつあるが、本場ヨーロッパアルプスの高峰を経験していらっしゃるからこそ、身に沁みついていることがたくさんあるのだろう。
無駄なもの(あったら良いもの)は持たない、スタイリッシュで洗練された身なりと歩き方、もたもたしないことなど、いずれもいざというときに生死を分けるのだということは想像に難くない。アルプスの山々のように、堂々と屹立してかっこよく、不要なものは削ぎ落され、確固たる信念を持っている。そのような人物になるために、益々トレーニングに励み、また「アルピニストかくあるべし」を感じ取っていきたいと強く思う。

 

■今後特に学びたいこと
・アンザイレンのメリットとデメリット
・自分やパートナーが滑落した場合の対処方法
・怪我をしてしまった場合の応急処置
・ロープワーク
・凍結している場所の歩き方
・天候の予測と天気急変に伴う計画の立て方

 

 

西野尚美

例年より少ない雪ながらも、お天気にも恵まれ、素晴らしい赤岳から硫黄岳の稜線歩きでした。
かつて石井スポーツで冬山装備を揃えた際に、「いつか冬の赤岳に行ってみたい」と言っていた自分が、こういうかたちで赤岳に挑戦できたことを感慨深く思います。
途中でクレバスでの滑落を想定した訓練をさせてもらったり、歩き方、道具の使い方、立ち振る舞い、ロープワーク、アンザイレン、雪山の鉄則などを理由も交えて丁寧に教わることができました。
幾多の8000m峰の山々を登っている角谷ガイド、奥田ガイドの後ろで歩き方や身のこなしを見ることができたことも貴重な機会だったと思います。
また、技術ももちろんですが、「アルピニストとは」を意識づけされたように思います。
全ての行動には意味があり、山の上では命に直結しているということ。それと向き合うことを再認識する山行となりました。今まで好きに登っていたものとは違う自覚を持たねばと感じました。
「自立した登山者とは」という自分への問いかけにはまだまだ応えきれません。より一層精進してまいります。
このプロジェクトでとても感じるのが、チーム力です。目標に向かってプロジェクトを成功させるという意識です。
メンバーは皆、協力的で親しみやすく、努力家で一緒に頑張ろうという雰囲気が滲み出ており、今回のトレーニングで一層のコミュニケーションが図れたのではないかと思いました。今後もチーム力を高めて共通の目標に向かっていきたいと思います。

 

■課題と目標
ロープワークに不慣れなので、素早く行動できるよう日頃から練習します。
また、せっかく学ぶ機会をいただけたのであれば、自分たちだけでアンザイレンできるようになりたいと思いました。
しかし現状は全くその技術がありません。今後是非学ばせていただきたいです。

 

 

石橋遥

八ヶ岳でのトレーニングではアンザイレンした状態での歩行やアイススクリューの使用など初めて経験するも多く、大変勉強になりました。また、メンバー同士の結束を深めることもでき、モンブランに向けて個人としてチームとしてスキルアップすることができたと思います。しかしロープワークや手袋をした状態での作業など、改善していかなくてはならない点も多く発見しました。今後のトレーニングでさらにモンブランに近づくことができるよう、精一杯に努力をしていきたいです。

 

 

横平充雅

2日間にかけて実施された講習では、アイスハーケンの打ち込み、回収の体験、アンザイレンした状態でのコンテニュアス歩行、滑落したメンバーの停止要領等、普段は単独で登山をしていたので、全てが貴重な経験、勉強になりました。
迅速に正確に危険地帯を行動する時は安全に繋がるので、手袋をしたままのロープワークや各種器材の取り扱い等を、より短時間に現状よりも更に高いレベルまで技量を高めていきたいと思います。
今回の反省点は「体調管理」です。普段よりも軽量なザック且つ登ったことのある山ということから、栄養補給及び水分補給を怠ってしまい、行者小屋手前で両脚をつって一時行動不能になりメンバーに迷惑をかけてしまいました。自分の体質(つりやすい)を考慮し、先行的な水分補給等する事を心がけ、他のメンバーにもアドバイスできるようにしていきたいです。

 

 

榛葉都

■感想
厳冬期の赤岳レベルの登山は初めてだったので、多くの学びと感動を得た一方で課題もたくさん残った。
まずは計画性。せっかく計画した行動プランも数分の遅れで、以降のプランに影響が出て、場合によってはパーティー全体を危険に晒してしまう恐れもあることを肝に命じて、一人一人が常に連絡を取り合い行動しなければならない。
次に、技術。改めて、アイゼンを履いての歩行方法や安全でスマートな装備について学ぶとともに、新たにロープワーク、救出時のアイススクリューやピッケルの使い方など、実践を通して体に叩き込んだ。ロープワークについては、自分の手でしっかりと、素早く、手袋をしたまま作業ができるように次回までに練習をせねばと感じた。
“素早く、正確に。”これが、山の全ての行動において要求されるのだと改めて身の引き締まる思いがした。
課題とともに不安も感じたが、メンバー6人、角谷さん、奥田さんとも、この日まだ出会って数回目とは思えないほど、居心地よく行動でき、同じ意思と目標を共有する仲間とともに楽しく成長していけそうだと思った。

 

 

 

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