登山をはじめるにあたって、いろいろな山の格言や目安となるものがあります。
たまには、こんな先人のメッセージや、ちょっとしたテクニックを学ぶのも良いのではないでしょうか?
今回は、基本的な知識や登山において心がけることなどをご紹介いたします。ぜひご参考にしてください。
<山の格言・・・先人からのメッセージ 目次>
<「初心者の登山の楽しみ方」目次>
山の格言初心者が登山で必ず知っておくべきこと
「山は登り優先」
「山は登り優先」という言葉があります。実際に山に行くと「山は登り優先」ということで、上にいる方が、登ってくる方を待っているという風景をよく見かけます。
この山の格言・山言葉になっている「山は登り優先」ですが、これは、「下る」ということが
とても技術が必要な歩き方であることから由来していると思われます。登りより難しい下りを優先にしてしまうと、下りの人が慌てて下らなくてはならなくなり、そうするとケガをするリスクが非常に高くなります。ですので「山は登り優先」になったということです。
というわけで山登りは、登りは「体力」、下りは「技術」といわれています。
山の格言歩き方の重要性/歩幅・スピードなどの目安・コツ
「山では、転んではいけない」
最近、靴売り場で接客の際、お客様に質問させていただくことがあります。
「山でやってはいけないことは何だと思いますか?」。皆さん、結構、「ゴミを捨ててはいけない!」!と回答されることが多いです。これは、ありがたくも当然のことなのですが、実は、本当に「山でやってはいけないこと」とは、「転んではいけない」というお話をさせていただきます。
「転ぶ」ということは、思っている以上に大きなリスクにつながります。山で足を痛めたりケガをすることは、登山全体に影響がでてしまいます。ですので、登山靴を履いた瞬間から、普段の歩き方ではなく、登山の歩き方に変えて、転ばないように心がけてください。
「(220-年齢)×0.75」の心拍数で歩く。
歩きかたの目安などをしっかり理解することは、割と重要です。数値的にいいますと「(220-年齢)×0.75」。(220-年齢)が、だいたい最大心拍数になるのですが、最大心拍数の約7割くらいで歩きましょうということです。イメージとしては会話ができるペースとよく言われます。
あと、富士山などに行った時の呼吸法としては、1m先のローソクを消すくらいの呼吸。ゆっくり呼吸をするといわれています。
具体的な歩き方としては、雪道や氷の上を歩くような、いわゆるべた足。みなさんご経験があるかと思いますが、下りをゆっくり歩こうとすると、ブレーキを使うじゃないですか。ブレーキを使うと本当に筋肉痛になるので、重力にまかせて下るのがスムーズです。
やはり下りの歩き方には、技術が必要ということですね。
はじめての登山前の心構え
登山用品で、筋力をカバーすることはできますが、
体力をカバーすることは、できません。
初めての登山の時には、多分、一番の不安要素として、体力的な不安があるかと思われます。登山を楽しむには、やはり体力が必要となります。ジムに通うことを推奨するわけではありませんが、日頃からエレベーターやエスカレーターなどを使わずに歩くことで体力トレーニングをして頂きたいと思います。
登山用品というのは、筋力をカバーするものが結構いろいろあります。靴もそうですしサプリメントなども筋力不足カバーとなるものです。
しかし、登山用品の中で唯一ないものが、体力不足をカバーする商品なのです。
是非、日常生活から少しづつでも体力の強化に励んでください。きっと登山がさらに楽しくなります。
体力に関してのお話となりますが、よく、「運動強度」という観点から、「3~4kgの荷物を背負って3~4時間トレッキング・ハイキング」をするのと「1時間ずっとランニングをする」のとでは、運動強度的にはどちらが大変ですか?という質問をさせていただきます。
結構、「トレッキング・ハイキング!」という人が多いのですが、実はほとんど一緒なのです。ですので、よりハードに感じられる「1時間ずっとランニングをする」体力がないと、3~4時間歩けない、ということになります。1時間ランニングするということは、一般の人にとってもまあまあ大変なことだと思います。
以前、初心者のお客様とツアーに行った際、とてもお怒りになられたお客様がいらっしゃいました。
そのお客様は、その時、とてもバテてしまいました。「これは初級者コースじゃない!」とめちゃくちゃ怒られていました。でも、そのコースは、初級者コースだったんです。お客様の体力が初心者以下・・・ということだったのです。体力とコースは、やっぱり別物です。
登山のベースとなる基礎体力は、最低限必要ですので、普段からのトレーニングは習慣化してください。
高山病の発生するリスク
高山病は、トレーニングしていても発症する場合があります。
高山病が発生する目安として2000m~2500mぐらいといわれておりますが、実際には個々人によって異なります。さらに睡眠不足だったりとか、体調などによってもだいぶ違います。
例えば、富士登山するときは、吉田口が2500mなので、通常のしっかりしたツアーですと、そこで一時間くらい休憩して、高度順応させます。到着して、いきなり登ったりはせず、そこで食事休憩などで一時間くらい過ごしてそこから登っていきます。
逆に結構、トレーニングしているからといって、高山病にかからないということはありません。弊社のスタッフが、6月にペルーで6000m級のところに海外遠征に行っておりましたが、ほぼ毎週山に行って、高度順応していたのですが、結局、今回は、全然だめだ・・・ということになりました。
それくらい、高山病対策は、非常に難しいということです。
山での食事と消費カロリー
消費カロリーの目安は
「体重×行動時間×5kcal」
しっかり歩くときは、カロリー計算をした食事&軽量化を!
長時間歩く登山の時は、しっかりとカロリー計算をした食事とさらに、その軽量化を図ることが必要となります。
先日、トレーニング山行で北高尾から高尾山周辺を歩きました。
いつものツアーのように途中で大きな休憩はとることなく、5分休憩の間におにぎり1個食べるとか、そういうことを繰り返しました。お腹が空かないように気を付けながら。このおにぎりは、コンビニで売っている普通のもので、あとは、サプリメントをうまく使いながらカロリー補給を行いました。
例えば、サプリメントの良い点は、「おにぎり」に「サプリメント」を追加し栄養の補強することで軽量化を図ることができることです。
おにぎりだけですと単純計算で6時間行動の場合、「おにぎり10ケとか15ケ」くらい持って行かないといけないケースがありますが、現実的にそんなにたくさん持てないのですよね。
また、最近では、これ書いていいかわかりませんが(苦笑)、「コーラを飲む!」。コーラはカロリーが高いので、糖分が摂れます。
一応、消費カロリーの目安としては、「体重×行動時間×5kcal」という目安があります。一日に必要なカロリーです。これで計算すると、そこそこなカロリーを消費します。これは、ガイド協会が公表している数字です。ちなみに水分の消費量目安は、「体重×行動時間×5ml」となります。
これが一日に必要な水分量となります。