早くも冬山【石井スポーツ登山学校】

2020-10-26

 

暖冬小雪の冬シーズンが続きましたが、10月末にして北アルプス・南アルプスの峰々も降雪があって、紅葉が美しいと話題になっています。

 

一方、急激な温度変化と急な降雪で、秋の山は非常に不安定な状況です。

 

 

低体温症を防ぐ衣類の備えと降雪に備えた装備は早くも必携となっています。「備えて安心・安全登山」の気持ちでご準備いただき、素晴らしい秋の山を楽しんでください。

 

秋の快適登山術

 

秋は清々しい気候で山々は紅葉に染まり、登山を楽しむには良い季節です。一方北海道や北アルプスの山々では降雪も始まり高山は一気に冬に向かいます。自然の美しさと厳しさを兼ね備えた時期といえます。今年はいつまでも太平洋高気圧の勢いが強く、平地では暑い日が続きましたが、山では確実に気温が下がってきています。日没時間も早くなり(8月に比べ約2時間近く早い)油断をするとすぐに真っ暗になってしまいます。秋は天候・気温の急変化と日没の早さを頭に置き、ウエアリングとヘッドランプ・ツエルトや温かい飲み物の準備等、綿密な登山の準備が必要です。
 

 

秋のウエアのレイアリング

 
★ポイント「体が冷える経路別に対策を立てる」
登山中に熱が体内から体外に放散される経路ごとの対策を考えてみましょう。

 

① 熱伝導の対策
登山中に冷たいものに触れるのは、手・足と休憩時に座る時でしょう。対策としては手袋・断熱性の高いインソールの用意・休憩時の携帯断熱マットが考えられます。

 
② 対流の対策
登山中の対流と言えばもちろん風です。対策としてはゴアテックスウエアの活用が定番ですが、この時期さらに快適にハイキングをするためにはより湿気のこもりにくいソフトシェル素材のジャケットもお勧めです。

 
③ 放射の対策
外気温が低いと登山中にどんどん熱を放出します。気温に応じた服装のレイアリングを心掛けることが基本です。体感的に特に熱の放出を感じられるのは頭・首・手首・足首ではないでしょうか。頭は熱の変化に弱い脳細胞を守るため血管が集まり、首と名のつくところは太い動脈が通る場所で共に体温維持に関係する血流の要となる場所です。ここを効果的に保温することにより、軽快なスタイルで秋の紅葉を楽しみましょう。

 
④発汗の対策
運動中に着用する衣服の役割は、
▽寒さなどの外部環境の変化から体を保護する。
▽体から出る熱や湿気などの変化に対して、衣服内環境を快適に保つ。
でしょう。体温が上昇すると、服の中の空気の温度も上がり、最初は暖かさを感じますが、体表からは温度調節をしようと汗が出てきます。汗は衣服や体表で蒸発するときに皮膚の温度を奪い、体が冷えます。対策として保温性に優れた吸汗速乾性機能素材のアンダーウェアを着用しましょう。

 

 

ヘッドランプの選び方

 

<ヘッドランプは用途に合った明るさで>
当然照射力が高いほど照射できる時間が少なくなります。
多くのヘッドランプには照射力を調節できる機能が付いていますから必要な明るさで使用することが大切です。
また、MAXの照射力もメーカーにより初回点灯時の出力が異なります。点灯時の明るさを確認し、必要な照度に調節してから使用するのがコツです。

 

<予備電池の用意で注意すること>
自分のヘッドランプの電池規格と必要本数の確認が大切です。
規格を間違えることは論外ですが、本数の不足により古い電池を混ぜて使用すると強制放電で、液漏れや破裂して大変危険です。

 
<予備ヘッドランプの重要性>
筆者の経験ですが、11月末に不意の降雪で夜間登攀を余儀なくされ、予備電池も使い果たし、ヘッドランプが使用不能。山頂から手探りで下降路を見出し命辛々下山したことがあります。
山の中は漆黒の闇です。電池の交換が必要になった時や故障した時のことを考えて予備のヘッドランプを用意しましょう。重量の気にならないモデルもあります。

 

<最新ヘッドランプ事情>
近年ヘッドランプは高照度化が進み、各種機能が充実しています。
特に重要な機能は誤動作で点灯することを防いでくれるスイッチのロック機能でしょう。
電池の消耗を防ぐ照度の調節機能に加えて、自動にON・OFFが出来るセンサー機能や自動的に焦点距離を調節する距離センサーが搭載されていると重宝するでしょう。
過酷な条件で使用する人は防水性を向上させたものや、頻繁に使用する人は充電が出来るモデルも選択肢に入れておきましょう。

 

 

各季節ごとの「安全登山」の情報は、下記ページでも毎月配信しております。

 

 

皆様がすばらしい登山をされる事を石井スポーツスタッフ一同願っております。